work shop

ogre you assholeの素晴らしさはライブの変態性にあると思っていて、とはいえhomely、100年後、ペーパークラフトの所謂三部作以前のライブしか見た事は無いのだけどその実感は初めてのライブアルバムを聴いても変わらなかった。
work shopを体験してから感じた事としては、三部作を聴きながら感じていたのは聴こえてくるパッケージされた音楽だけじゃなく、ライブで経験した空気感も込みだった事実だった。
楽しかったとかそんなじゃなく、セッション的に生まれる音楽を目の当たりにして圧倒されたっていうイメージがiPhoneから聴こえる音楽をより豊かなものとして脳みそが補完していたみたいだ。
彼らの音楽には空気が必要で、それを叶えるのはライブなんだとこのアルバムを聴いて僕は思ったし、人の影を感じてこそやっと孤独になれるんだ、とも思った。あぁ、本当に何も言えない。自分の語彙の無さにいらいらするし、無理をして何か感想を言わなきゃいけない事なんて無い事も分かっているはずなのに、誰かに言いたいこの感じはなんなんだろう。言葉を重ねれば重ねるほど中身がなくなるし、それを誘発するような本当に意味のある、意味の無いアルバムだ。

あいまいなターゲット

会社員になることは自己啓発ソングを受け入れる事。
学生の頃の悩みは、社会を受け入れない歌で解消して、社会人になると自分の境遇にあう歌は無くなり、根性論を中心に据えた自己啓発ソングの行間に私情を挟む事で気持ちを落ち着ける方向に向かうんじゃなかろうか。
僕はそんな風に考えている。

音楽の素養が無いとそうならざるを得無い。どんなに革新的な試みも私には理解でき無い。残るのは言葉の響きとどうとでも取れる歌詞。それは決して悪い意味では無く、純粋に自分にとって心地の良い言葉の幅を目の当たりにする瞬間。
受け入れる事のできる語彙で自分と向き合う事に徹するある種純粋な受容と言う行為なんだ。

wonder future

アナログの発売が待ちきれなくて、ダウンロードで購入しました。

アジカンが自分の中のヒーローになった事はなくて、名前を聞くようになったのは高校二年生のころだったかと思う。当時は電波塔が好きで、恋愛云々を意識し始めて自分の気持ちを整理する時にはアジカンが言葉の手助けをしてくれてたように思う。友達とふざけて曲を作ろうって話をくれた時に参考にしたのもアジカンだったな。

僕はゴッチほど熱い人間でもなくて、大学に入ったころのソルファ以降のアルバムは聴こうとしなかった。その頃にゆらゆら帝国を聴いたりベボベを聴いたりドーパンや、HIGEや、オウガを覚えてくるり100sカエラに夢中になってた。

洋楽よりも邦楽の言葉遊びが僕には大切で、ルーツを辿りやすいものに執着していたのかもしれない。

彼らがマジックディスクを出した頃、僕は大学の留年から派生した窮屈な雰囲気の中にいて、就職の事に頭を悩ませては、新しいチャレンジをする他人に慰めてもらってばかりいた。そこからだと思う、アジカンに帰ってきたのは。

今の彼らは自分達をスタンダードにするためのステップを踏んでいる。

チャレンジは続いていて、それは僕の背中を少し押してくれる。

see you blue

自分でチケット買ってライブに行くのは3年ぶり位だと思う。
代官山unit さらうんど see you blueリリースパーティー
打ち込みが中心の音作り、言葉への偏重、何がそうさせたのか音源の再現ライブのような編成に。
良い曲を作ってるのは重々承知してはいるけど、ライブは大音量で聴く事だけが意味じゃないと思うと、ライブとしての良さには疑問が残る。
2nd以前の曲はもっとアレンジ作り込んで良かったと思う。またライブに行きたいと思うよりは次の音源も期待してるからね的な立ち位置。
終わった後放心してしまうようなもっと良いライブを見たいな。
さらうんどには最高のパーティーを作り上げて欲しい。

See you,Blue

See you,Blue

  • (((さらうんど)))
  • J-Pop
  • ¥1800

寂しそうな男の声に弱いのかも知れない

ずっとハイトーンボイスが好きだと思っていたけど違うみたい。
シューゲイザーほどうな垂れず、視線を落として手元や斜め下をぼんやり見ていそうな声が好きなんだな、私は。
それで少しニヤついていれば完ぺきだ。
その点でBAYON RECORDSはツボを抑えてくる。yogeeもnever young beachも最高だ。近い音でも向いている方向が違う。まだ、言葉にはしきれないけれど今の僕には彼らが必要だ。そう思う。
YASHINOKI HOUSE

YASHINOKI HOUSE

  • never young beach
  • J-Pop
  • ¥1500

awesomeな街

シティポップをキーワードにされるバンドには好意的な気持ちを抱いていたんだけれど、なにせシティの育ちじゃないもので。

バンドにこだわって音楽を聴くことから卒業しても、いわゆる初期衝動みたいなものには固執してしまっていて素直にメジャー感のある整頓された音楽には物足りなさを感じてしまう。

決して嫌いじゃないんだけど、俺だけが解るこれの良さ!みたいな独占欲は刺激されない悲しさ。どのメディアに乗せても違和感ないだろうなっていう技術や器用さが醒めた気持ちにさせる。

却って二枚目以降がとても気になるバンド、Awesome City Clubその引き出しの奥を早く見せて欲しい。

僕たちは物語を身につける

PROMENADE - EP

PROMENADE - EP

  • 北園みなみ
  • J-Pop
  • ¥1200

名前だけで女性ボーカルと勘違いしてスルーしてた。

宅録の才能とか、シティポップがどうとか、誰かのブログを読んでいたら「彼」の記述。

男なら話は別だ。しっとりした声の女性は得意不得意が大きく振れるから、良かった。キリンジフォロワー的な曲。シニカルな雰囲気の曲が僕は好きだからキリンジを喩えに出すけど。春に丁度いい。

キリンジを感じながら、それを求めるならそれだけ聴いていれば良いのに、とふと思った。でもそうしないのはなんでだろう。気持ちのどこかで2人時代の彼らのフォロワーになる人は中々出ないんじゃないかと思っていた頃があったからな気がする。

その気持ちへの解答を得られた喜びが大きいんだろうな。

僕(たち)は小さな生活を望みながら世の中に溢れるモノ、目の前のものをそのまま受け入れようとはしない。自分が自分にとって特別なままでいるために、物語を必要とする。着飾らないように着飾るために、意味や物語を求める。内に外に。

安住したいと遠くを眺めて夢を語る。