QUIERO V.I.P

あぁ、学生の時なら聴いてるかもね。

母親に好きなバンドの曲を鼻息荒くして聴かせた後の感想だった。今はもう、それが誰の何ていう曲か忘れてしまったけど、そんな風に言われても仕方がないなと思う曲はいくらでもある。生意気にも若者の間で流行りのバンドの曲に似たような感想を抱くことは少なくない。

どこのレーベルの誰がアツいとか、これを聴いてなきゃ人生損してるとか、これは自分の事を歌った曲だとか、そんなの、何周したかわからない。それでも、自分の中に残る音や歌詞はあるし、そんな感想は僕だって沢山吐いてきた。だって今しか今は無いから。

みんながそれぞれの時代でそれぞれに似たような感想を持つべきだし、大事にしたい自分だけの音楽は必ず人生を豊かにするし、マイルストーンとして、タイムマシンとしてそんな人生変えちゃうくらいに思えるものなんて出逢おうとして出逢えるものじゃ無いから。

 

だけど、QUIERO V.I.Pはずるいと思う。

どんなに斜に構えていても、生意気で幸せだもの。憧れる無頼や甘い幸せを、確かな幻想を、非現実を叩き込んでくる。今だけかも知れない、今だけかも知れないけど、今は最高のポップを与えてくれる。

 

澄み切った空気の中で天真爛漫を。

 

 

 

QUIERO V.I.P.

QUIERO V.I.P.