81.3

LIVE OASIS、企画ライブは約十年ぶりで学生の頃に行った対バンのライブみたいな自分の中のバチバチ感はなく、スケジュール管理の行き届いたイベントとして楽しめた。

ceroとペトロールズ。

大人がバンドで生きていく意味や覚悟を二つの方向からつかみ取れる様な、良いマッチング。

人としてのリアリティを感じたのはペトロール

音楽家としての業を感じたのはcero

 

多分、先を歩いているのはペトロールズで、スリーピースとしての濃度を高めた上で、付いてくる客の満足度を最大化させる様な編曲とコーラスワーク。正しいかはわからないけど、バンドの芯をひたすらに突き詰めようとするとこうなるのか、と。

大衆の為のものではないロックンロール。一周回って釘を使わないタイプの木造建築の様。

無音状態すら味方につける正確に散りばめられた音。ひけらかさないソロパート。進む方向は違えど日本語のタイム感をしっかり感じさせるのは本質的に現代のはっぴいえんどとして考えても良い気がした。ゆらゆら帝国は殿堂入りで。

 

suchmosが売れたおかげで自分達がやりたい音楽ができるとも言ったcero

多分、今の邦楽で星野源の次に時代に愛されているバンドだと思う。

たくさんの音楽がある中で、好きな音楽を突き詰めて行こうとしても付いて来てくれるお客さんが居るのは受け手が多様化し過ぎたおかげなんじゃないかと思う。

電波を通じて広く聴かせるよりも、その場の空気を震わせる事に重心を置いた様な演奏。

もう、妖怪になりかけてると思う表情、空気感。なんで伝統芸能とか神事みたいな密度の高い音楽が作れるのか。何食ってたらそうなる?って思ってしまって泣きたいのか笑いたいのかわからない気持ちにさせられた。

初めてのライブで推測に過ぎないけど、今のモードや姿勢の意思表示が現体制で、妖怪として生きて、おとぎ話になる入口なんだと思った。

もう、変な責任感とかそこら辺にほったらかしてなる様になればいいし、このまま進んでくれるなら付いて行かざるを得ない。そんな強さを感じた。

 

総じて、自主企画的な対バンやイベントよりも、自己プレゼンの色が強くなるって言う点においてメディアの企画するライブはしっかり楽しめるのでは、と思った限りです。