日の光の心象と音楽

育ってきた環境とか違うから音楽の好みの違いもしょうがない。

日の光の心象。都会への憧憬。理想と現実。
東京を歌う音楽や郊外の静けさを映す音楽は僕には思春期までが受容期間だったのかも知れない。

シャムキャッツは聴かず嫌いで、AFTER HOURがどんなに名盤と言われても聴く耳は持たなかった。
後日譚としてのTAKE CAREのリード曲を聴くタイミングを得て、AFTER HOURを聴いた。
都会の空気を感じるアルバムだった。想像で描く風の音を思いながら肌に感じる風とのギャップを感じる内省的だけど開けた音楽のイメージ。
だけど僕には10年遅かった。そんな風に思って哀しくなった。
都会の光はまっすぐ進む。僕の街じゃない僕の街。思いを寄せるのは都会ほど日の当たらない煮詰まった色彩の育った街の日の光だ。朝靄の中の白い街だ。
もう、実感とは離れてしまった街。生活に含まれる夢の成分は気づけば大分少なくなってしまった。