ミュージックポートレート
NHKでミュージックポートレートって番組をやっている。対談形式の番組で、ゲスト2人がそれぞれのこれまでを話しながら人生のターニングポイントになった(寄り添った)音楽を紹介するような趣旨の番組だ。僕はこの流れに憧れる。ターニングポイントは訪れていたにせよ、音楽を聴いて人生観が変わるような体験をしていない。歌詞を睨んでも指針を示してくれる様な言葉はないし、そもそもそこまで思い悩む事も少ない。辛くて、思い悩んで、ふとした瞬間に耳に入った音楽や言葉に納得して何らかの決断をする。振り返ればドラマチック 程度の話かも知れないけど。
この手の話は大前提に孤独や個に立ち返ることの出来ない程の忙しさがあると仮定すると、僕には幸せな事に孤独はないし、ちょうど良い忙しさすらないって事になる。そもそも、自分に対して不真面目なんだろうと思う。まずは自分の責任の下に自分で居ることが必要だ。
まだ、ポートレートと呼べる音楽は無い。
選ぶことと(知らないうちに)選ばされていること
週末は久しぶりに新宿に繰り出した。
南口のタワーレコード、面白そうなものがあれば買おうかな、と。思ったんだけれど、TSUTAYAで借りられるものなら無理して買わなくてもいいような気になってしまった。熱を持って音楽を聴けない…。向き合う時間が必要なのは歌詞カードとは別の文字だと思っているからかな。それでもフラフラしながら気になっていたCD何枚かを試聴する。
五年前は膝が震えるような気持ちにさせられることもあったけど、全て若さのせいだったのかなと思うほど気持ちがついて行かない。
一つの棚が気になった。スカート、ミツメ、シャムキャッツ、cero、あだち麗三郎、片想い、なつやすみバンド、柴田聡子、最近よく見かけたり友人がよく聴いたりしている。自分自身購入検討中のものが多く陳列されていた。その棚の括りは東京インディーズ。…なにか胸につかえるものがあった。たしかに、インディーズで東京近郊のバンドでってまとめ方だし、自分でもそれを求めてた部分が無いわけじゃないけど、少なくとも特集されて嬉しいものじゃない。そういうまとめはAmazonがしてくるもんだと思うし、実店舗でやられると晒し上げられてる様な気分にすらなる。溢れてる情報の中から誘導はされているにせよ自分で探し出した感覚が欲しいのに。「お客さん、そんなに歩き回ってお店の中を探さなくてもきっとあなたの好きそうなのはこの棚の前に来れば全部すみますよ」。じゃ嫌なんだ!自意識過剰な音楽リスナーはナイーブなんだから、あんまり目立たせないでくれよ。
弊害流し聴き
スカートのアルバム、サイダーの庭良いのだけれどもCOMITIA盤を買っているせいでリマスター盤を聴いている気持ちになる。
ジオラマ(ユースカ)購入者特典のDL曲も収録されているから、追いかけている意味合いが一瞬わからなくなってしまう。その辺りは早く聴くためのコストとして割り切れば良いんだろうけど、アレンジが劇的に変わることもないので聴く頻度がどうしても下がるのが自分でも腑に落ちない。
COMITIA盤の完成度が極端に高すぎると捉えた方が精神衛生上は良いのでしょう。
ポップミュージックとはいえしっかり腰を据えて聴く人向けの音楽なんだろうなぁ。時間と気持ちに余裕を持とう。
- アーティスト: スカート
- 出版社/メーカー: カチュカ・サウンズ
- 発売日: 2014/06/04
- メディア: CD
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補正を無くして
泡のような愛だった。
aikoはどうしても今を見えずらくしてしまう。桜の時がはじめてラジオから聴こえたころのことだとか、雪の中買ったばかりのiPodminiで聴いた三国駅とか。フィクションの恋愛に憧れを感じながら触れていたころのことばかり思い出してしまう。
新しい曲は自分のための歌じゃなくなっていた。誰か知らない人のための、必要な人のための歌になっていたように感じていた。
純粋に楽しめないから変態作曲家としての側面を横目で眺めるようになったのがつい最近の話。
それでも新譜が出るのは楽しみで、でも買うのは怖くて。聴かないかも知れないなって思っていた。片想いしてた女の子を思い出すみたいに。
でも買ってよかったって今は思う。音楽は聴き流すことも出来るから、少し残酷だけど、こわがりながらでも正面から聴いて見たらaikoはちゃんと変わってたし、自分も変わったけど、変わってないところもあるって事に気づくことが出来た。歌詞カードを眺めながら聴くことはしてないけど、時々聞こえるaikoの言葉は今でもずっと響くところがあるよ。
- アーティスト: aiko
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2014/05/28
- メディア: CD
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